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2016/03/12

ボールジョイント式可動ブロックトイフィギュアの開発の(黒)歴史(その四)

修正の変遷(2014~2016.03) 【修正の変遷(2014~2016.03)】

 

左から順に
「モデロック(アトリエ彩) フルメタルパニック アーバレスト」
「頭頂高165mm(1/10)版」
「頭頂高135mm(1/12) 2015年末版」
「頭頂高135mm(1/12) 2016年1月版」 「頭頂高135mm(1/12) 2016年3月版(現状)」

 

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135mm2015年末版は165mm版からスケールの変更という大改造をしました。

 

実は今回お話しする135mm2016年1月版でも頭身の変更という大きな改造をしました。
135mm2015年末版まではイラストの通り8頭身でしたが「フィギュアにした時に頭が小さすぎる」、「たくさん売れている市販品と並べると違和感があるのでは?」という意見で6頭身に変更したのです。
同スケールの有名な某可動フィギュアは6頭身(が多い?)だそうです。

 

135mm2015年末版の「スケールの変更」では高さ方向だけでなく幅も奥行きも、つまり三次元的に変形しました。
この時に大きな問題となったのは「狭いパーツ内に接続用構造部品・形状をどうやって収めるか」でした。
8頭身から6頭身への変更は「頭を大きく、身体や足を小さく(短く)」することですから、同様の問題が懸念されます。

 

ここで少し話題を変えます。

 

頭身は頭部の高さを1とした時に身長がいくつになるかを表した数値です。
頭身の変更は「高さ(一次元)だけの変更」を意味するわけですが、もしそのような変形をするとくしゃおじさんのようになってしまいます…(若い人は知らないだろうなぁ(^_^ゞ)

 

しかし頭部を大きくし、身体や手足を小さくしただけでは全体のバランスがおかしくなってしまいますし、「スケールの変更」ですでに内部が構造パーツでキチキチになった胴体にこれ以上幅を狭くするための隙間はありませんでした。

 

20160312 Compare _Inside of Body

 

そこで6頭身化に伴い関節位置の調整や各パーツ寸法のバランス調整など全体的な見直しを行いました。

 

バランス調整の結果、胴体の幅と奥行きはほぼ変わらず、頭部の高さは高くなり、小さくなるはずだった胴体はむしろ長くなりました。
腰のくびれの位置が上がり、足が短く(短足に)なりました。

 

つまり高さ(一次元)だけの変更をしたわけです。
デフォルメの結果とはいえ、不思議な感じでした。

 

構造についても見直しをした結果、作り直しに近い、ほぼすべてのパーツ修正を行いました。
股関節の構造が変わっているのが分ると思います。

 

こうして出来上がった3Dモデルデータでしたが、画面で見ているだけでは実際にバランスが良いのか分りませんでした。
また画面では細かな部分が見えすぎてしまい、全体への影響が分らず、作業がなかなかはかどりません。

 

そこで、サークルとしては初の「3Dプリンタ出力」に挑戦しました。
挑戦といっても業者に発注するだけなんですけどね…(^_^ゞ

 

3Dプリンタのサービスビューローに何社か見積りを取り、最終的には東京リスマチックに依頼しました。
一番の決め手はメガハウスのデスクトップアーミーこのブログ記事でした。
FDM方式(家庭用3Dプリンタに多い、樹脂の線を溶かして積層していくタイプ)ではなく、光造形方式(光硬化性樹脂に紫外線を当てて層毎に固めて積層してくタイプ)による造形なのでとても綺麗に仕上がりました。
Goodでした!東京リスマチック、バンザイ\(^o^)/

 

肝心のモデルデータの検証ですが、画面でモデルデータを見ていただけのときには不安がいっぱいでしたが、造形品を見て「これなら行ける!!」と確信しました(^_^ゞ
また可動範囲はCAD上で確認できていたものの、造形品でもバッチリで安心しました。
♀ジョイントをシンプルな形状で出力したために保持力はありませんが、パーツの強度やいくつかのポーズを確認することができて、とても参考になりました。

 

造形品の詳しい結果は「はじめての3Dプリント(結果編-1)」から続く記事をご覧ください。

 

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