WF2016[夏] 当選しました!
2016/7/24(日)に幕張メッセで開催されるWonder Festival 2016[夏]にDOUJIN HOOPS & T-Square Lab.の合同サークルで当選しました!
さぁ、がんばるぞー!
2016/7/24(日)に幕張メッセで開催されるWonder Festival 2016[夏]にDOUJIN HOOPS & T-Square Lab.の合同サークルで当選しました!
さぁ、がんばるぞー!
今日は部品表(BOM=Bill Of Materials)の作成をしながら金型図面の清書をしました。
一般の方も雑誌等で金型を見たことはあるかもしれませんが、金型の図面を見る機会はほとんどないと思います。
世の製造業は3次元化が進み、私たちも3次元CADシステムで設計や製造をしていますが、まだまだ2次元の図面も使うんですよ!
昔のように詳細な寸法を書き込むことはありませんが、加工データ作成時に2次元のCADデータを使います。
さて金型図面には色々な情報が書かれていますが、金型に特有な項目をいくつかご紹介したいと思います。
1.突出しピン
金型には成形時に成形品を金型から外す機構が必要です。
極まれに「手で掴んで取りだす」こともありますが、一般的に使われているのは突出しピンです。
金型図面にはオレンジ色の十字塗り円で表現しています。
突き出しピン(EP=Ejector Pin)にもいくつか種類があって、今回はストレートEP、段付きEP、スリーブEPを使っています。
ストレートEP(画像左)は文字通りまっすぐな突出しピンです。
ランナー部や製品部、♀ジョイントの中央にも設置されています。
段付きEP(画像中央)も言葉通り段が付いた突出しピンで、細い突出しピンが必要な場合に利用します。
金型図面の画像には写っていませんが、直径1.5mmの突き出しピンに段付きEPを採用しています。
スリーブEP(画像右)はSleeve(袖=筒)状の突出しピンです。
スリーブEPの中央にはセンターピンという固定された(動かない)ピンがあり、筒形状で成形品を突き出します。
タッピングスクリュー(ネジ)用ボスなど成形品の筒形状部分の突出しに利用します。
2.コアピン
コアピンは「複雑な断面形状を持っている固定されたピン形状のもの」を指すことが多いと思いますが、私は面倒なので「固定されているピン形状の部品」をすべてコアピンと呼んでいます(^_^ゞ
金型図面ではグレーの十字塗り円で表現しています。
前後の胴体パーツを位置決めするためのボスと穴の、成形品の直径1.5mmの穴を作る部分をコアピンにしています。
後々穴径の調整をしたり、破損した時に修理しやすくするためにこうしています。
また、別の部品にした方が加工しやすいんです。
ちなみに金型図面のグレーの×塗り円はボルトを表しています。コアピンではありません。
次に説明するサポートピラを固定するためのボルトです。
またスリーブEPと組みになっているセンターピンは、固定されているのでコアピンと同じ表記にしています。
3.サポートピラ
金型にはにコア側の型板と取付板の間に突出し板が動くための大きなすきまが空いています。
金型は金属でできていますが、成形時にはものすごい圧力で締められているため、すきまがあると歪んでしまいます。
どれくらいすごい圧力なのかというと、鉄でできた金型を曲げてしまうほどです!<説明になっていない…(´-ω-`)
まぁ普通に生活している限りは体験できないほどの強烈な圧力です。
突き出し動作のためのすきまは必要ですが、金型が歪んでしまっては精度の高い成形品を作れないばかりか、金型がパックリ割れてしまいます!
そこでサポートピラと呼ばれる突っ張り棒(^_^)を設置します。
サポートピラは突出しピンなど他の金型部品と干渉してはいけません。
またサポートピラをたくさん設置すれば良いというものでもありません。
サポートピラを設置するためには突出し板に穴を開けますが、サポートピラをたくさん設置しすぎると突出し板が穴だらけになって弱くなってしまいます。
アジアの巨大な国の金型にありがちです(-_-;)
最低限のサイズのサポートピラを少数、バランス良く配置するのが金型設計者の腕の見せ所です!
Fi-Dia Block(s)の金型は少し特殊な構造をしているので金型の端に最低限二つのサポートピラが必要です。
さらに追加で3ヶ所にサポートピラを設置しています。
4.銘板の彫刻文字
金型の基本は「金型は反転された形状が加工されている」ということです。
製品の形状はもちろん、文字も反転されて金型に加工されます。
つまり、こういうことです↓
Fi-Dia Block(s)の銘板は社内で加工していますが、より細かな図形や文字を美麗に加工したい場合は文字彫刻専門業者にイラレデータや版下を渡して加工を依頼します。
家電品のロゴマークなどでは、以前は紙の版下が支給されることもありましたが、最近はデータ入稿が多いですね。
いかがでしたでしょうか?
なお上記の金型図面への記載方法は私個人のルールで、一般的なものではありません。念のため。
それでは、今日はこの辺で…(^_^)/~
金型モデルデータを作成しました。
この画像はコア側です。
「コア側」は他に「突き出し側」とか「可動側」とも呼ばれ、英語では「Movable Side」といいます。
コア側の逆はキャビティ側(「固定側」「Stationary Side」)です。
これらは金型を使ってプラスチック製品を成形する「射出成形機の構造」に由来する名称です。
射出成形機の金型を取り付ける部分を「プラテン」と呼びますが、プラテンは対向している二枚の分厚い金属板で、「タイバー」という太い金属棒で接続されています。
プラテンの固定されている側を「固定側」、タイバー上を動く側を「可動側」と呼びます。
熱で溶かされたプラスチックは固定側から金型に流れ込み、冷えて固まった後に可動側が動いて金型が開かれ、可動側にある突き出し装置で金型から取り出されます。
上記の金型に関する説明は一般的な構造の金型について説明したものです。
Fi-Dia Block(s)は非常に一般的な金型構造になっています(^_^ゞ
「金型」や「射出成形機」で検索をかけてみると一般的ではない構造も含めて色々と出てくると思います!
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さて画像についての続きです。
製品部分は金型の形状(製品の反転形状)になっていますが、ランナー形状はまだ処理(引き算)をしていません。
足パーツの対称形状もまだです。
これらは差演算(ブーリアン演算の引き算)や反転コピーをすれば簡単に作れるので、調整後の最後の工程で実施します。
おなかパーツとお尻パーツ部分の拡大図をご覧いただきましょう。
製品では穴になっていた♀ボールジョイント部分が凸形状になっています。
前回金型への路(みち)・・・(その六)にてアンダーカットのお話をしました。
Fi-Dia Block(s)ではアンダーカットの処理(スライドやスラントなど)はしていないとお話しました。
実は、Fi-Dia Block(s)の♀ボールジョイント部分はアンダーカットになっています。
アンダーカットが無ければボールジョイントのギュッとした勘合は起きません。
アンダーカットの処理にスライドやスラントは使っていませんが、Fi-Dia Block(s)では「無理抜き」に近い処理をしています。
ココで詳しくはお話しませんが、無理矢理アンダーカットを抜いても成形品に問題がでないように少し工夫をしています。
今回の画像はまだまだ作業の途中です。
調整作業や更なる金型部品分割をしなければなりません。
次回は何を見ていただこうかなぁ?
黒歴史の解説後に一息ついていた…訳ではなくて、地味な作業をしています。
金属でできた金型を機械加工するために、金型そのものの3次元データが必要です。
金型のモデルデータをCADを使って作る理屈は非常に簡単で、四角い立体(金型の外観)から製品形状を「引き算」して、二つに分ける…だけです。
言葉で書くと本当に簡単ですねぇ。
特にFi-Dia Block(s)の金型は複雑な構造を作らないようにしています。
コストダウンはもちろんですが、複雑な構造を入れてしまうとフレームに収めるパーツの数が減ってしまいます。
それは金属は固いからです。固いのは当たり前ですが(^_^ゞ
ガレージキットの型で良く使われる「シリコン」は軟らかい材料です。
型からまっすぐに抜けない形状を「アンダーカット形状」といいますが、アンダーカット形状があってもシリコン型は軟らかくて変形するので型から製品を取り出すことができます。
しかし金型は金属でできているので固く、変形しません。
アンダーカット形状を金型で作る場合は「スライド」や「スラント(傾斜突き出し)」などの構造を使います。
しかしスライドやスラントには動くためのスペースが必要で、この部分にはパーツを設置できません。
そのため、フレーム内に配置できるパーツ数が少なくなってしまいます。
自動車や家電の部品用の金型では一般的にスライドやスラントを使用します。
また、ペットボトルのキャップのような「ネジ形状」もアンダーカット形状なので、金型部品を回転させて抜きます。
場合によっては「無理抜き」なんていう「成形品を変形させて金型から無理やり抜く」なんて方法もあります。
市販のプラモデルをよーく見てみて下さい。
アンダーカット形状があるか、ないか。
アンダーカット形状があった場合にフレームのどの位置にあるか、などなど。
模型雑誌にも金型の写真が出ることがありますが、じっくりと見てみるのも面白いですよ!
さて、話題がずいぶん脱線しましたので、Fi-Dia Block(s)の金型の話に戻しましょう。
今回の二枚の写真は2016/03/01の記事「金型への路(みち)・・・(その四)」で掲載した「2次元パーツ配置図」と、金型設計とモデリングを進めている現時点(3/16)での「3次元パーツ配置モデル」です。
いくつかパーツが入れ替わっていますが、ところどころでパーツの配置(向き)が替わっていると思います。
より詳細に金型設計と3次元データをモデリングを進める過程で修正が進んでいます。
2次元で検討している段階でも3次元的な検討をしていますが、いざ3次元データを作成してみると色々な問題が出てきます。
さすがに慣れているので(^_^ゞ大きな変更はないと思いますが、細かな修正はまだまだ続きます…
金型モデルの画像も公開する予定ですので、お楽しみに(^_^)/~
左から順に
「モデロック(アトリエ彩) フルメタルパニック アーバレスト」
「頭頂高165mm(1/10)版」
「頭頂高135mm(1/12) 2015年末版」
「頭頂高135mm(1/12) 2016年1月版」
「頭頂高135mm(1/12) 2016年3月版(現状)」
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3Dプリンタの造形品を製作したことで外観形状や可動範囲の確認だけでなく、パーツ単体の強度を確認することができました。
光造形品はインジェクション成形品にくらべて少し脆いのですが、それにしても肉厚0.4mmはやりすぎでした(^_^ゞ
造形品を初めて組み立てたときにいきなり破損破壊してしまいました。
強度が低いことは予想していたので予備のパーツを作ってはいたのですが、さすがに凹みました…orz
破損したパーツは上下の胴体を繋ぐ♀ジョイントで、これは特に強度が必要なパーツです。
胴体に収める時に小さくしたのですが、Fi-Dia Block(s)規格の基本形状に戻すべく検討を重ねました。
最終的にはパーツや保持力に影響する寸法を基本形状と同じ7.8mmに設定することができました。
画像は左から2015年末版、2016年1月版、2016年3月版と右端は3/13現在の形状です。
左右の出っ張りは胴体パーツとの接続用ボスです。
スペースの関係で接続部ボスをφ3mmからΦ2mmに変更していたのですが、強度や拡張性の観点からΦ3mmに戻しました。
前後の胴体パーツのように決まった組み合わせは別として、ボールジョイントはφ5mm、軸はφ3mmで統一しておいた方が使い勝手が良いですからね。
また股関節の構造についてはずいぶん悩みました。
もともと股関節は二重関節だったのですが、二重関節では組立性が悪く、足の位置決めもしづらいのではないかという懸念がありました。
二重関節の胴体基部パーツと脚パーツを繋ぐ♂ジョイントパーツは二個の♂ボールがまっすぐに繋がっているわけではなく、くの字状の棒で繋がっています。
これは足パーツの可動範囲を広げるためと、♂ジョイントパーツの位置によっては1軸が固定されることで組立性の向上を狙ってこのような形状になっています。
ちなみに肩の二重関節も、形状は違いますがくの字状になっています。
しかし♂ジョイントパーツは胴体パーツと足パーツの間にあり、パーツも小さいので、直接触って「♂ジョイントパーツの向きを変える」ことが難しいです。
そこで多少可動範囲が犠牲になるものの、♂ジョイントパーツの一方を固定した構造を検討しました。
検討を重ねた結果、最終的には可動範囲を重視して股関節は二重関節のままとしましたが、この時に作った固定用パーツのモデルデータは頭部構造の再検討で活かされることになり、思わぬ副産物となりました。
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2013年の作り始めから2016年3月初旬までの女の子フィギュアの経過報告は以上です。
現在、組立性の向上や人の自然な動きの再現、綺麗な(中の人好みの?)シルエットなどを目指してさらなるブラッシュアップを続けています!
引き続き当JointFactoryブログやJointFactoryホームページにて進捗の報告をしていきたいと思いますので、どうぞお楽しみに!
左から順に
「モデロック(アトリエ彩) フルメタルパニック アーバレスト」
「頭頂高165mm(1/10)版」
「頭頂高135mm(1/12) 2015年末版」
「頭頂高135mm(1/12) 2016年1月版」 「頭頂高135mm(1/12) 2016年3月版(現状)」
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135mm2015年末版は165mm版からスケールの変更という大改造をしました。
実は今回お話しする135mm2016年1月版でも頭身の変更という大きな改造をしました。
135mm2015年末版まではイラストの通り8頭身でしたが「フィギュアにした時に頭が小さすぎる」、「たくさん売れている市販品と並べると違和感があるのでは?」という意見で6頭身に変更したのです。
同スケールの有名な某可動フィギュアは6頭身(が多い?)だそうです。
135mm2015年末版の「スケールの変更」では高さ方向だけでなく幅も奥行きも、つまり三次元的に変形しました。
この時に大きな問題となったのは「狭いパーツ内に接続用構造部品・形状をどうやって収めるか」でした。
8頭身から6頭身への変更は「頭を大きく、身体や足を小さく(短く)」することですから、同様の問題が懸念されます。
ここで少し話題を変えます。
頭身は頭部の高さを1とした時に身長がいくつになるかを表した数値です。
頭身の変更は「高さ(一次元)だけの変更」を意味するわけですが、もしそのような変形をするとくしゃおじさんのようになってしまいます…(若い人は知らないだろうなぁ(^_^ゞ)
しかし頭部を大きくし、身体や手足を小さくしただけでは全体のバランスがおかしくなってしまいますし、「スケールの変更」ですでに内部が構造パーツでキチキチになった胴体にこれ以上幅を狭くするための隙間はありませんでした。
左から順に
「モデロック(アトリエ彩) フルメタルパニック アーバレスト」
「頭頂高165mm(1/10)版」
「頭頂高135mm(1/12) 2015年末版」 「頭頂高135mm(1/12) 2016年1月版」
「頭頂高135mm(1/12) 2016年3月版(現状)」
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頭頂高165mm(1/10スケール)で進めていたものの、このスケールは遊びづらいんじゃないかという懸念がどうしてもぬぐいきれませんでした。
そこで、実験的に胴体のモデルデータを1/12に変更してみました。
一番最初に確認したのはもちろんΦ5ボールジョイント(特に♀ジョイント)が入るかどうか?です。
外形が小さくなってもボールジョイントの径は直径5mmのまま変更なしだからです。
♀ジョイントが無い状態の胴体のモデルデータを約83%に縮小して、改めて♀ジョイントを配置してみました。
すると「あれ?行けるんじゃない?」ということになり、本格的に1/12へのスケール変更に着手することにしました。
以前は、曲面形状はRhinocerosという個人でも手が届く価格のCADシステムで作成していました。
Rhinocerosは曲面作成が得意なソリッドモデラーなのですが、パラメトリック変形(寸法値を指定して形状を作成したり、寸法値を修正して形状を変更するやり方)には弱いです。
今回は♀ジョイントの配置時に曲面形状も細かな変更を繰り返すことが予想されたため、思い切って使用CADをパラメトリックモデラーのSolidWorksに移行しました。
とは言え、単純にそのまま83%に縮小してしまうと一部で♀ジョイントの壁が薄くなり保持力が落ちてしまう懸念がでたり、部品同士の干渉が起こってしまいました。
元絵がスマートな体格をしているため太らせる、否ぽっちゃりさせることに少々抵抗がありましたが、太りすぎぽっちゃりしすぎたら後でダイエットしてもらおうと涙ながらにパラメータを弄りました(~_~;)
ぽっちゃり化のほか、♀ジョイントの外形形状をFi-Dia Block(s)規格よりも小型化しました。
Fi-Dia Block(s)規格の基本形状は□7.8mmとΦ9mmを組み合わせた形状ですが、両方を6.8mmにしたり、一方をさらに5.8mmにしてみたり・・・
Fi-Dia Block(s) 規格 Ver.3(PNG画像)
今にして思えばかなり無茶な設計でした。
左から順に
「モデロック(アトリエ彩) フルメタルパニック アーバレスト」
「頭頂高165mm(1/10)版」 「頭頂高135mm(1/12) 2015年末版」
「頭頂高135mm(1/12) 2016年1月版」
「頭頂高135mm(1/12) 2016年3月版(現状)」
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2013年春に作ったプロトタイプは散々でした(´-ω-`)
その後、本格的なフィギュアをモデリングし始めたのは2014年後半でした(^_^ゞ
(この間に何があったかは語り(れ)ません・・・)
2014年後半にモデリングを再開した際、まずはオリジナルのイラストを基にサイズの検討をしました。
その結果「可動範囲をできる限り犠牲にしないで、保持力を確保したΦ5mmボールジョイントを仕込むためには頭頂高を165mmにする必要がある」と判断しました。
またイラストの設定ではこのキャラクタ(長尾凛といいます)は身長が高めなので、スケールを1/10としました。
色々と調べたところ1/10スケールではフィギュアと組み合わせやすい市販パーツが少ないようでしたが、Φ5mmボールジョイントが入らなければ意味がないのでこのスケールのままで進めることにしました。
女の子フィギュアをモデリングすると決めたのは遥か遠い昔のこと・・・
企画自体は2009年に動き出していましたが、具体的に発表できることが無いまま4年…
思い起こせば2013年4月1日エイプリルフールの記事「リハビリはじめました」が初出でした。
プロトタイプとは言え、今にして思えば、これは非常に恥ずかしいデータです(>_<)
サークル初のオリジナルデザイン作品「Fi-Dia Block(s) Ent.001 Fighting Sparrow」の開発の経験から「とにかく始めなければ話にならない」「公開すれば少しずつでも良くなる」「背水の陣(^_^.)」と決意し、「難しいけど、何とかなるんじゃないか」「もしかしたら意外に簡単なのかも!」と期待して脚と腕から作り始めました。
当時は作ったモデルデータを見て「それなりに見えるじゃん♪」とか思っていました。
完全にナメてましたねー。
ヒト型をスクラッチでモデリングするのがこんなに難しいとは思っていませんでした。
数回更新しただけで、すぐに長い暗黒の時代に再突入しました。
でも、この一歩があったからこそ、今があるんですよね\(^o^)/<無駄に前向き
さぁ、踊り場も第四弾になりました!(笑)
この調子でどんどん脱線していきますよー!?
今作っているのは「ボールジョイント式可動ブロックトイ」の女の子フィギュアなわけですが、ただ滑らかなラインの女の子フィギュアを作ったのでは私たちが作る意味がありません。
綺麗なラインを追及するなら固定式のフィギュアの方が絶対良いですし、可愛い可動フィギュアは既にたくさん市販されています!
私たちが女の子フィギュアを作ることの意義は「Φ5mmボールジョイントのブロックトイ」、この一点に尽きると思っています。
関節部がすべて高精度なΦ5mmボールジョイントというだけでも差し替えや差し込みによる拡張性は高いと思います。
しかしやはり手軽に外装を追加したいですよねぇ?
このように考えて、事あるごとに「外装接続用に♂ジョイントや♀ジョイントを追加できないか?」を併せて検討しています。
その結果がコレ↓です!
とりあえず、頭(側頭部上方と後頭部上方)、背中(肩甲骨の間あたり)、腰(クビレの下あたり)に♂ジョイントを追加してみました。
一部は♂ジョイントを追加できるように内部に♀ジョイントを追加しています。
この他、背中(腰のあたり)、上腕(肩あたり)、太ももなどに♀ジョイントを追加できないかを考えています(^_^)
踊り場でウロウロしている一つの理由は「股関節は二重関節か?固定か?」だったのですが、紆余曲折ありましたが腰は二重関節で行くことにしました。
元鞘ですねぇ。
しかしこの「踊り場での活動」は無駄ではありませんでした。
副産物があったことについては既にお知らせしましたが、調整中の中身を公開します。
この組み合わせパーツは頭部パーツ群のベースになります。
下向きの♀ジョイントが首パーツに繋がり、横を向いた♀ジョイントが顔パーツと髪パーツに繋がります。
でも恐らく顔パーツへの接続はボールジョイントではなくボスに変更すると思います。
バイキンマンの耳みたいな二つの♂ジョイントにはツインテ等を接続することを想定しています。
好きなものを繋いでいただいてオッケーですが…
単体のパーツに♀ジョイントを直交して配置するのは色々な問題があって実現しませんでした。
今回はどうしても直交する二つ(以上)の♀ジョイントが必要だったのでこのプランを採用することにしました。
うまく行くといいなぁ。
Fi-Dia Block(s)はABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)という樹脂製です。
ABS樹脂は一般グレードでもある程度の弾性を持っています。
「弾性」は勘合や保持力にとって重要なキーワードです。
また、Fi-Dia Block(s)はボールジョイント式のブロックトイです。
実は、♂ボールジョイントの径と♀ボールジョイントの径は同じ寸法ではいけません。
少しキツイ(♀の径よりも♂の径の方が微妙に大きい)くらいでないとジョイントがユルユルになってしまいます。
逆にキツすぎると♀ジョイントがどんどんヘタってしまい、すぐに緩くなってしまいます。
それではFi-Dia Block(s)の金型がどれくらい大きくなっているかというと、これは企業秘密です!
現在リリースしているすべてのパーツをSTL形式で公開しています。
STLはポリゴン形式のひとつで、小さな平面の集合として3次元形状を表しています。
簡単な例としてはミラーボールですね~
車や家電品などの製造業者が一般的に使っているのは境界表現形式のCADです。
境界表現というのは3次元形状を幾何情報(点・線・面など)で表し、ソリッドの場合はさらに位相情報(面が繋がっているなどの情報)を持ちます。
本業(金型製造業)でも境界表現形式のCADを何種類か使っています。
ポリゴン形式や境界表現形式は大雑把な分類です。
興味のある方は「サブディビジョン」「CSGツリー」「フィーチャパラメトリック」などの単語でGoogle先生たちにお聞きすると色々と教えてくれますよ!
さて・・・
STLよりもっと身近な3Dデータがあります。
PDF形式です。
3DデータはAdobe Reader 7以降でサポートされたようです。
PDFの内部的にはUniversal 3Dという形式だそうで、これは境界表現(B-rep)とポリゴンの両方をサポートしているようです。
つまり3D-PDFを使うと高精度なデータの配信が可能(かもしれない)ということです。
実際に3D-PDFの曲面表示を見ると、精度は分りませんが非常にきれいです。
もし3D-PDFを読み込んでB-Rebデータを編集できる3Dソフトがあるなら、境界表現をサポートした3D-PDFの可能性はSTL以上でしょう!
と、いうことで、制作中の女の子フィギュアの3D-PDF形式データを公開します。
Joint Factory (ブログ版)が利用しているココログには容量制限(1MB)がありますので、Joint Factory (ホームページ版)にファイルを置いてリンク(約5.5MB)を張っておきます。
ファイル容量にご注意下さい。
またブラウザ内で「Enable 3D View」と表示される場合はファイルをダウンロードしてAcrobat Reader等で直接開いて下さい。
腰は身体(にくづき)の要(かなめ)です。ブロックトイでもそれは同じです。
その重要な腰のジョイントを確認していたら、な、な、なんと胴体内の♀ジョイントのサイズを間違って設定していたことに気が付きました(@_@)
<言い訳>1/10から1/12にサイズを変更した時、胴体内になんとかジョイントを詰め込もうと♀ジョイントのサイズを調整していて、最終的にできるだけ大きなサイズにするつもりだったのに、すっかり基本サイズ(□7.8mm)に戻したと思い込んでいました</言い訳>
危なかった…
□7.8mmにはできませんでしたが、胴体の組み立て強度にとって重要な♀ジョイントはすべて幅を7.8mmにすることができました。
もう少し調整したい場所も発見してしまいましたが、とりあえず、メデタシ、メデタシ…