金型への路(みち)・・・(その六)
黒歴史の解説後に一息ついていた…訳ではなくて、地味な作業をしています。
金属でできた金型を機械加工するために、金型そのものの3次元データが必要です。
金型のモデルデータをCADを使って作る理屈は非常に簡単で、四角い立体(金型の外観)から製品形状を「引き算」して、二つに分ける…だけです。
言葉で書くと本当に簡単ですねぇ。
特にFi-Dia Block(s)の金型は複雑な構造を作らないようにしています。
コストダウンはもちろんですが、複雑な構造を入れてしまうとフレームに収めるパーツの数が減ってしまいます。
それは金属は固いからです。固いのは当たり前ですが(^_^ゞ
ガレージキットの型で良く使われる「シリコン」は軟らかい材料です。
型からまっすぐに抜けない形状を「アンダーカット形状」といいますが、アンダーカット形状があってもシリコン型は軟らかくて変形するので型から製品を取り出すことができます。
しかし金型は金属でできているので固く、変形しません。
アンダーカット形状を金型で作る場合は「スライド」や「スラント(傾斜突き出し)」などの構造を使います。
しかしスライドやスラントには動くためのスペースが必要で、この部分にはパーツを設置できません。
そのため、フレーム内に配置できるパーツ数が少なくなってしまいます。
自動車や家電の部品用の金型では一般的にスライドやスラントを使用します。
また、ペットボトルのキャップのような「ネジ形状」もアンダーカット形状なので、金型部品を回転させて抜きます。
場合によっては「無理抜き」なんていう「成形品を変形させて金型から無理やり抜く」なんて方法もあります。
市販のプラモデルをよーく見てみて下さい。
アンダーカット形状があるか、ないか。
アンダーカット形状があった場合にフレームのどの位置にあるか、などなど。
模型雑誌にも金型の写真が出ることがありますが、じっくりと見てみるのも面白いですよ!
さて、話題がずいぶん脱線しましたので、Fi-Dia Block(s)の金型の話に戻しましょう。
今回の二枚の写真は2016/03/01の記事「金型への路(みち)・・・(その四)」で掲載した「2次元パーツ配置図」と、金型設計とモデリングを進めている現時点(3/16)での「3次元パーツ配置モデル」です。
いくつかパーツが入れ替わっていますが、ところどころでパーツの配置(向き)が替わっていると思います。
より詳細に金型設計と3次元データをモデリングを進める過程で修正が進んでいます。
2次元で検討している段階でも3次元的な検討をしていますが、いざ3次元データを作成してみると色々な問題が出てきます。
さすがに慣れているので(^_^ゞ大きな変更はないと思いますが、細かな修正はまだまだ続きます…
金型モデルの画像も公開する予定ですので、お楽しみに(^_^)/~
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